鉢形城
<城名> 鉢形城
<所在地> 埼玉県大里郡寄居町鉢形城
<主な城主> 長尾景春、山内上杉氏、藤田重利(康邦)、北条氏邦
<遺構> 空堀、土塁(国指定史跡)
<交通> JR八高線、東武東上線、秩父鉄道「寄居」駅から徒歩約15分。
<紙面掲載>1998/6/18
<歴史> 平将門、源経基、畠山重忠が居城という話もあるが、史実に乏しく、明らかなのは長尾景春が乱を起こし(長尾景春の乱)立て篭もった記録から。大田道灌の攻略後は山内上杉氏の城となった。後北条氏の関東進出により、脅威に思った藤田重利は北条氏康三男・氏邦を婿として迎え、このころ現在の規模の大城郭に造り替えたと思われる。
天正18(1590)年、「小田原の役」では前田利家、上杉景勝などの北国勢に攻められるも、一ヶ月もの猛攻に耐えた。孤立無援で善戦した氏邦は前田家の客将として金沢に迎え入れられ、異郷の地で没した。
<史跡歩記> 荒川から見る鉢形城は断崖となっており、まったく敵を寄せ付けません。寄居駅から正喜橋を渡って左に曲がると、将来駐車場になると思われる広場(笹曲輪)になっており、復元予定図があります。柵も戦国風になっています。先に進むと本曲輪(古城)があります。小さい曲輪が3個確認できます。この本曲輪は長尾景春のころのものと言われています。荒川の流れが真下に見え、風除けの土塁も残存しています。
新聞報道により有名になりましたが、二曲輪が発掘調査され、秩父曲輪の土塁からは石積が発掘されました。外郭ではなく、曲輪側にあるという珍しいものです。戦いのときに登りやすくしたりするものと言われています。現在は遺跡保存のため埋められており、青いビニールシートが位置を示しています。発掘調査の後、2年以上経ちますが、史跡公園化の工事は進展が見られません。早く、石積が見たいのですが・・・。罪滅ぼし的な案内板があります。
諏訪神社(馬出し)の周りは深い空堀が現存。神社前には諏訪池があります。農林試験場にも高い土塁・水堀があります。
駅から20分ほど北にあるところにある正竜寺には氏邦夫婦、重利夫婦の墓が仲良く並んでいます。時間があれば寄ってみるのもいいでしょう。氏邦夫人の自刃の地も近年石碑が立てられました。
2004/02の近況です。戦国風に柵が取り付けられ、秩父曲輪に門(土塀付き)と建物(休憩室?)を建設中です。工事完了は3月末の予定です。
2004/06の近況です。門・建物・ダミーの井戸が完成。庭園も登場しました。城跡にはコンクリの道が作られています。今秋オープン予定の資料館もほぼ完成しています。
2005/10/16、鉢形城公園オープン(一般公開は17日)しました。
歴史館入り口に・・出ました! 氏邦人形!(笑) 200円払って建物に入ると矢倉のある門があり、弓矢で狙われます。よくできていると感心し、中に入ると、鉢形城の全景模型があります。模型を照らしながらのCG説明はわかりやすいです。で、終了?? え〜これで200円! グッズや本の販売がないのも残念!
開館記念企画展(前田利家具足 重文)は11月23日までです。
2005/10/22
鉢形城説明会に行ってきました。新たな発見はありませんでしたが、ボランティアの方に熱心に説明していただきました。そういえば・・櫓上の足軽が2人になっていました。氏邦人形は国道254号線沿いの不動産屋さんにありました。秩父曲輪の石積は崩れ始めています。コンクリではダメです。きちんと積まねば。
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