天神山城
<城名> 天神山城
<所在地> 埼玉県秩父郡長瀞町
<主な城主> 藤田重利、北条氏邦
<遺構> 空堀、土塁、石塁
<交通> 秩父鉄道野上駅から徒歩約30分(推定)で、城の入り口に。荒川を渡るのが大変なので、車を勧めます。白鳥神社前の公民館に車を停めて、本曲輪まで20分の登山。
<歴史> 戦国時代・天文年間の築城。藤田重利は武蔵7党の猪俣党に属する。後北条氏の勢力拡大により、氏康3男・氏邦を養子に迎え入れた。重利は氏康の「康」の1字をもらい、康邦と名乗って用土城へ隠居。氏邦は鉢形城を整備して移り住む。
<史跡歩記> 目の前に見えている(模擬櫓)のになかなか行けなかった天神山城…。真冬なら登ることが可能かと思いチャレンジしました。大手側は私有地となり、廃墟(工場跡)になっていますので、白鳥神社裏(搦手)から登ります。以外と草木が刈られ、登りやすくなっていました。山城は冬に限ります。
途中、石積みが顔を出しています。頂上(本曲輪)には模擬櫓(昭和45年完成)がありますが、落城しています(苦笑)。床は抜け落ち、天井ははがれ朽ち果ててみられるものではありません。せっかくの資料も散乱しています。唯一写真に撮れるのは城好きがきちんと置いたであろう、案内板2枚です。
本曲輪と二曲輪(推定)には橋が架けられ、空堀を見ることができます。ここからは背丈ほどの枯れたヤブとの戦いです。城郭建築風トイレ跡、倒された説明板が寂しいです。
二曲輪には鉄筋製の物見台があります。階段が急なので、お客さんのことをあまり考えていないものです。
三曲輪端には櫓台跡があります。側面には石積みが見られ、土塁・空堀で囲まれています。
この模擬天守。地主が観光地化を目指して建てたもの。二曲輪まで車道をひき、駐車場にして、本曲輪で料金を取っていたようです。麓には工場跡(もとは休憩施設)があります。もちろん採算が合うはずもなく、落城の憂き目に遭いました。